コクロディニウム・ポリクリコイデスは、近年、日本と韓国の漁業に最も深刻な被害をもたらしています。 例えば、1999 年の九州の伊万里湾で約 700 万ドル相当の漁業被害が起こりました。 韓国では1995年と2003年にそれぞれ約1,900万米ドル相当の、さらに大きな経済損失がありました。
そこでCEARAC/WG3は、関係者にこの有害種に関する基本情報を提供する目的でコクロディニウムホームページおよびコクロディニウムパンフレットを開発しました。
コクロディニウムホームページ
コクロディニウムパンフレット（英語：1,855KB）
(中国語：4,733KB)
(日本語：1,827KB)
(韓国語: 4,637KB)
(ロシア語: 4,403KB)
リモートセンシングは、クロロフィルa濃度、浮遊物質量 (SS)、有色溶存有機物 (CDOM)、植物プランクトンの一次生産、赤潮、海面温度 (SST) に関するデータと情報を提供できる技術です。 また、ブルームを予測し、富栄養化に対する適応策及び軽減策に関するデータを提供するために、富栄養化と赤潮のメカニズムを分析するのにも役立ちます。
CEARAC/WG4は、リモートセンシングによる新しい海洋環境モニタリングツールの開発活動を行い、NOWPAP地域の海洋リモートセンシングに関する統合報告書を発行しました。 この報告書の目的は、NOWPAP 地域における 海洋リモートセンシング（RS） の状況に関する情報を提供・共有することです。
NOWPAP 地域の海洋リモートセンシングに関する統合報告書（英語）
NOWPAP地域では、以下のウェブサイトで様々な衛星画像や情報を提供しています。
このウェブサイトは、衛星リモートセンシングデータを活用して、海洋環境保全に関する有益かつ基礎的な情報を提供することを目的としています。 このサイトで衛星データの検索・注文ができます。またNOWPAP海域の毎日の海面水温画像やクロロフィルa濃度も確認できます。
宇宙航空研究開発機構 (JAXA)
JAXAは「だいち」（ALOS）をはじめとする様々な衛星を運用しています。
MODIS 準リアルタイムデータ
このウェブサイトは、東海大学総合研究情報センター（TRIC）とJAXAが扱う地球観測衛星「TERRA/AQUA」の準リアルタイムのデータを提供します。
地球観測研究センター (EORC)
EORCは、安全・安心な社会の実現に貢献するため、地球観測衛星により得られた、(1)災害状況の把握による迅速かつ的確な被害軽減、(2)農林水産業および水資源の調査・管理、 (3) 地球環境の現状の研究および将来予測の情報を提供しています。
富栄養化は、栄養塩負荷の増加により水生生態系が豊かになる現象です。 富栄養化は、多くの場合、農業で使用する肥料や水産養殖用の餌、未処理および/または処理済みの下水、産業廃水の流入などの人間の活動によって引き起こされます。 富栄養化は沿岸環境の悪化を引き起こし、通常それが有害な藻類の発生につながります。その後魚の死やさらなる生態系へのダメージを引き起こす可能性があり、場合によっては直接的または間接的に人間の健康問題に関連する可能性があります。 富栄養化によって、沿岸水域での光の利用可能性が減少するだけでなく、有機物の成長と分解が促進され、その結果、水質が悪化します。
CEARAC/WG4は、衛星データの評価および使用のための共通方法の基礎を構築し、海洋環境モニタリングツールとしてリモートセンシングの使用を促進する、またNOWPAP地域で統合した海洋環境モニタリングプログラムを実行するために、リモートセンシングによる富栄養化モニタリングガイドラインを発行しました。
NOWPAP地域におけるリモートセンシングによる富栄養化モニタリングガイドライン（英語）
CEARAC は、WG3 と WG4 の共同活動を開始しました。 この活動は、NOWPAP 加盟国間で共有できるリモートセンシング技術を使用して、富栄養化状態 (栄養塩の濃縮、HAB の発生、栄養塩の濃縮によるその他の直接的および間接的な影響など) を評価するための有用な手順を開発することを目的としています。 CEARACは、既存のモニタリング活動を通じて得られたデータや情報を使用して、NOWPAPの各加盟国がそれぞれの海域における富栄養化の状況および影響を評価できるようにすることを目的とした手順書の草案を作成しました。 この評価結果は、NOWPAP 加盟各国によるモニタリングシステムや富栄養化対策の検討・開発に活用されることが期待されます。
