2017年10 月 24 日、東京で第 1 回海洋生物多様性の保全にとって脅威となる影響に関するワークショップを開催しました。

1. 趣旨:
CEARAC 事務局が開発中の 報告書「NOWPAP 地域の生物多様性の保全にとって脅威となる影響に関する評価」(Assessment of Major Pressures on Marine Biodiversity in the NOWPAP Region)の第 1 草案を検討する

2. 参加者:
NOWPAP メンバー国の専門家である Dr. Bei HUANG (中国)、Dr. Yasuwo FUKUYO (日本)、Dr. Young Nam KIM (韓国) and Dr. Tatiana ORLOVA (ロシア)

3. 内容
CEARAC事務局の吉田主任研究員が報告書第1稿の内容を紹介しました。同報告書は 2014-2015 年度の CEARAC の活動である生物多様性の保全にとって脅威となる影響の試験的評価の結果をベースにしており、利用可能なデータを用い NOWPAP 海域に大きな影響を与えると考えられる富栄養化、外来生物、生息地の改変に焦点を当て、モデル海域の現状把握を試みたものです。
また現状把握には環境評価手法の 1 つである DPSIR 法を利用しています。つまり、環境問題における DRIVERS(根本原因), PRESSURES(直接的原因の圧力), STATES(変化する状態), IMPACTS (影響)and RESPONSES(問題への対策や政策)の関係性を理解しようというものです。専門家たちは、この報告書にDPSIRの枠組みを適用することに合意しました。その上で第1草案の内容を検討し、また今後のスケジュールについても合意しました。

4. 結果
出席者は草案の内容・修正箇所等を話し合い、以下のことを決定しました。
– 今後、ワークショップの出席者が DPSIR に関する追加情報を探し、草案の内容を修正する。その後、CEARAC のフォーカルポイントが第 2 草案の内容を検討する。
– この報告書は、試験的評価を行ったエリアの現状把握に限定する。またこれらのエリアに関して、過去の NOWPAP 活動で有用な情報があれば追加する。
– 「将来に向けた提言」の章では、メンバー各国の影響の違いやデータの有無の違い等にも示す。さらに、NOWPAP 海域の現状をさらに理解するためにどのようなデータが必要なのかも言及する。

報告書を開発する中で、関係者が集まって草案の検討を行うワークショップは初めての試みでしたが、非常に充実した内容になりました。今後も報告書作成の段階でこのようなワークショップを開催する予定です。

*報告書「NOWPAP 地域の生物多様性の保全にとって脅威となる影響に関する評価」(英語)は2018年に完成。

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