平成25年(2013年)8 月5 日(月)~6 日(火)、第3回NOWPAP地域における海洋生物多様性および富栄養化に関する専門家会合が富山市で開催されました。

1. 趣旨
CEARACが2012-2013 年に実施している海洋生物多様性および富栄養化に関する活動や、2014-2015 年に実施を目指している海洋生物多様性、富栄養化および藻場マッピングの活動計画案について、日本・中国・韓国・ロシアの海洋生物多様性、富栄養化および藻場に係る専門家からの助言を得る。

2. 出席者
・ 日中韓露の海洋生物多様性の専門家
・ 日中韓露の富栄養化の専門家
・ 日中韓露の藻場の専門家
・ NOWPAP 地域調整部、北太平洋海洋科学機構の代表者 等 22 名
[議長:福代 康夫 東京大学名誉教授]

3. 主な結果
(1) 富栄養化に関する活動状況について
 日本・中国・韓国・ロシアにおけるNOWPAP 富栄養化評価手順書改定版による評価結果が報告され、いくつかの海域において富栄養化が進行していることなどが明らかとなりました。
また、各国における評価結果を取りまとめた地域概要報告書の構成や記載内容について意見交換が行われました。
(2) 2014-2015 年の富栄養化に関する活動提案について
 2012-2013 年の活動を踏まえ、NOWPAP 地域全域から富栄養化の兆候が見られる海域を衛星データ等を用いて抽出する活動を提案したところ、専門家からは、抽出の際の指標として海域の海水交換や閉鎖度も勘案すべきとの助言を得ました。
(3) 海洋生物多様性に関する活動状況について
 各国の海洋保護区の制度や内容についての最終確認が行われました。各国の海洋保護区の実態を踏まえた地域報告書が2013 年中に作成されます。
(4) 2014-2015 年の海洋生物多様性に関する活動提案について
 専門家からは、富栄養化が外来生物の定着や海洋資源の持続的な利用に及ぼす影響の評価など、海洋生物多様性に関連の深い具体的なテーマを設定するよう助言があり、今後、さらに各国専門家の意見を聴きつつ活動提案を作成することとなりました。
(5) 2014-2015 年の藻場マッピングに関する活動提案について
 各国における藻場の分布の実態や人工衛星画像を活.用した藻場モニタリングに関する研究が紹介され、NOWPAP 地域における藻場マッピング活動提案の必要性が支持されました。

4. 今後の対応
 本専門家会合における助言を踏まえて提案内容等をさらに具体化し、9 月11~12 日に富山市で開催予定のCEARAC フォーカルポイント会合に提案する予定です。

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