平成27年(2015年)8 月24 日(月)、第4回NOWPAP地域における海洋生物多様性及び富栄養化に関する専門家会合が富山市で開催されました。

1. 趣旨
CEARACが2014-2015 年に実施している海洋生物多様性および富栄養化に関する活動の進捗状況に関して、各NOWPAPメンバー国の専門家を交えてレビューし、2026-2017年の活動計画に対する助言を得る。

2. 出席者
・ NOWPAPメンバー国(日本、中国、韓国、ロシア)の海洋生物多様性及び富栄養化の専門家
・ CEARACフォーカルポイント(日本、中国、韓国、ロシア)
・ NOWPAP 地域調整部、NOWPAP POMRAC、北東アジア環境協力プログラム(NEASPEC)の代表者 等 19 名

3. 主な結果
(1) 海洋生物多様性に関する活動について
 メンバー各国で対象エリアを選定し(中国-煙台・大連沿岸域、日本-九州海域及び北陸の沿岸域、韓国-セマングム干潟域、ロシア-ピョートル大帝湾)、富栄養化、外来種、生息地改変に関するデータ収集及び現状評価を行った。結果をまとめた報告書を2015年末までに発行する。
(2) 富栄養化に関する活動について
 富栄養化評価対象域をNOWPAP地域全体に拡大し、NOWPAP共通手順書に従って海域の富栄養化状態を評価した。評価の第1段階となる予備評価では、科学的酸素要求量(COD)、赤潮発生件数、クロロフィルa濃度のデータを使い、富栄養化の状況を判断する。2015年末までにWeb-GIS地図を開発し、予備評価の結果を公開する。
(3) 海草藻場マッピングに関する活動について
 衛星画像を利用して藻場の分布を把握するためにCEARACが開発した藻場マッピングマニュアルを使い、メンバー各国の選定エリア(中国-スワン湖、日本-七尾湾及び富山湾、韓国-ジャンフン湾、ロシア-スレドニヤ湾)でケーススタディを実施した。2015年末までにCEARACウェブサイトにある他のデータと重ねて藻場の分布図を見られるようにする。
(4) 2016-2017 年の藻場マッピングに関する活動提案について
 メンバー各国における藻場の分布の実態や人工衛星画像を活用した藻場モニタリングに関する研究が紹介され、会合出席者は、今後もNOWPAP地域で藻場マッピング活動を実行する必要があり、次期2か年も関連活動を実行することに賛同した。

4. 今後の対応
 翌日(8 月25~26 日)から開催するCEARAC フォーカルポイント会合では、再び各活動の中間報告を行い、現在の活動の結果を踏まえて2016-2017年の活動案を検討する。

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