「第4回NOWPAP ワーキンググループ3(WG3)及びワーキンググループ4(WG4)合同会議」を2008年9 月10 日(水)、12 日(金)に富山市内で開催しました。
WG3とWG4は、国連環境計画(UNEP)の北西太平洋地域海行動計画(NOWPAP)の活動拠点の一つとして指定されている特殊モニタリング・沿岸環境評価地域活動センター(CEARAC((財)環日本海環境センター(NPEC)))のもとに設置されている機関です。
WG3ではHAB(赤潮/有害藻類の異常繁殖)の発生を指標とした沿岸環境評価、WG4では人工衛星を活用したリモートセンシング(RS)による新しいモニタリング技術の開発について取り組んでいます。
今回の会合はWG3とWG4の合同で開催され、2006-2007 年の活動報告を踏まえた2008-2009 年の具体的な活動について議論が行われました。
1. 日程
2008(平成20)年9月10日(水)及び12日(金)
2. 場所
タワー111 2階会議室1(富山市牛島新町5-5)
3. 出席者
中国、韓国、ロシア、日本の赤潮/有害藻類の異常繁殖の専門家、リモートセンシングの専門家のほか、NOWPAP RCU 企画調整官など、約25 人
4. 主な結果
(1)以下の5つの活動について、事務局から進捗状況の説明が行われました。
・ HAB ケーススタディについて(WG3)
NOWPAPの4か国(日本・中国・韓国・ロシア)におけるHABの発生、環境条件について、最も効率的かつ省力的に情報交換を行うための手法の開発するために、各国においてHABが発生し、かつモニタリングが行われている海域を選定し、同海域において入手可能な情報を整理するとともに、ケーススタディレポートとして共通の懸念項目について取りまとめる。今回の会議では、各国で実施されたケーススタディの中間報告が行われ、今後の情報共有項目の共通化等について様々な議論が行われました。
・ HAB 統合ウェブサイトについて(WG3)
NOWPAP地域におけるHABに対する活動を促進するため、これまでのWG3の活動成果とともに、多くのHABに関する情報を提供するためのウェブサイトの構築を行う。今回の会議では、ウェブサイトで公開するコンテンツや、情報更新のあり方について様々な議論が行われました。
・ 衛星リモートセンシングデータを活用した海洋環境保全のために教材の開発について(WG4)
NOWPAP地域における沿岸環境保全に携わる学生、若手研究員、沿岸管理者等が衛星データを有効に活用できるよう、沿岸環境保全に係るリモートセンシングデータの収集・解析・評価を行うための教材を開発する。今回の会議では、開発する教材の内容とその効果的な提供形式について様々な議論が行われました。
・ 第2 回NOWPAP リモートセンシングデータ解析トレーニングコースについて(WG4)
第1回トレーニングコースの開催結果を踏まえ、学生、若手研究者、沿岸管理者がリモートセンシングデータを利用するための有効な技能や知識を得るためのトレーニングコースを、2008年11月1~5日、韓国・済州島で開催することが報告されました。
・ NOWPAP 地域のための陸域起源の栄養塩の評価を含む富栄養化状況評価のための手順書の開発について(WG3及び4合同)
NPECで開発する富山湾をモデル海域とした沿岸環境富栄養化評価手法をもとに、リモートセンシング技術を活用したNOWPAP参加国共通の海域富栄養化評価手法を開発する。今回の会議では、各国で利用する共通手順書の中間レビューがなされ、最終とりまとめに向けての活発な議論が行われました。
(2) 議事概要の採択・閉会
2日間の話し合いの結果をまとめた報告書(議事概要)を採択して、会議は終了しました。