NOWPAP海域の海草藻場分布
背景
Waycottら(2009)によると、世界全体で毎年110km2の海草藻場が消失しています。 Grenchら(2012)は、NOWPAP海域を含め北太平洋の温帯地域は全海域の中で脆弱性が最も高く、大きな問題点として都市化や港湾開発による埋め立て、海水温の上昇、海面の上昇の3つを挙げています。 しかしGrenchらの2012年の論文では、NOWPAP海域に関する十分な情報やデータは示されていません。 このため、CEARACは、2016~2017年に、中国、日本、韓国、ロシアの研究者と共に海草藻場の分布、また藻場に対する脅威に関する文献レビューを実施しました。収集した文献は、1973年~2017年に出版されたものでした。
文献一覧の参照先:第15回CEARAC FPM報告書のAnnex VII「NOWPAP地域における海草分布の評価に向けたフィージビリティスタディに関する報告書」
海草藻場に関する文献レビューに協力していただいた専門家
- 中国: Yang Dingtian(中国科学院熱帯海洋環境国家重点研究所)
- 日本: 小松輝久(横浜商科大学)
- 韓国: Jong-Kuk Choi and Keunyong Kim(韓国海洋科学技術研究院, 海洋衛星センター)
- ロシア: Vasily Zharikov (ロシア科学アカデミー極東支部太平洋地理学研究所)
海草藻場分布の可視化
収集した文献情報をもとに、海草藻場の分布をWeb-GISマップ(https://cearac.nowpap.org/map-webgis/)上にアイコンで可視化した。 各アイコンをクリックすると、より詳細な情報(場所、海草の種類、情報源など)がポップアップ表示されます。
3種類のアイコン(A、B、C)があります。 分布の大きさは「○」の大きさと数字で示されます。
アマモ(Zostera marina)
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コアマモ(Zostera japonica)
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スゲアマモ(Zostera caespitosa) |
オオアマモ(Zostera asiatica)
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タチアマモ(Zostera caulescens)
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ニラウミジグサ(Halodule uninervis)
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スガモ(Phyllospadix iwatensis) |
エビアマモ(Phyllospadix japonicus)
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ウミヒルモ(Halophila ovalis) |
ヤマトウミヒルモ(Halophila nipponica)
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参考文献
- NOWPAP海域における海草藻場分布の評価に向けたフィージビリティスタディ報告書(Report on the feasibility study.pdf)